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もうこれ以上歩けない―介護クエスト②「今日は死ぬのにいい日だ」

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もうこれ以上歩けない―介護クエスト②「今日は死ぬのにいい日だ」

自分の死を覚悟しながら生きるというのは、どんな感覚なのだろう。

義母が退院した。お昼前に病院に迎えに行き自宅へ戻った。

今回の入院は約1ヶ月だった。

入院中リハビリもしていたと聞いていたが、ベッドの上で手を動かす程度のもので、ほとんど歩行していなかったのだと言う。

ベッドから車椅子へ移動するのも、車椅子から車へ乗り込むのも、手伝いながら大騒動しながらでやっとだった。

義母の肺は半分くらい機能していなくて、もう、ほんの少し身体を動かすだけで呼吸が苦しいのだ。

数年前には私の子をおんぶして歩いていたのに。

自宅へ戻り部屋に上がっても、ベッドまで、ほんの少しの距離が歩けなかった。

座り込み、「もう、立ち上がろうって気がないんだから、いかんわ」と漏らした。

「そんなこと言わないで頑張って」と言いたいところだけど、曖昧な笑みを浮かべて
「そうだよね、しんどいもんねぇ。ゆっくりやろうね」と声をかけた。

自分の身体が思うように動かないのは、本人が一番つらいだろう。

義母の身長は153センチくらい。もともと細い人だったけど、今やほとんど骨と皮。体重は36キロくらいだろうか。
抱き抱えようかと思ったけれど、無理に身体を引っ張ったりすると「痛い」と言われる。
介助の仕方を学ばなければ。

人は疲れ切ったらもう動けない。

「もうこれ以上歩けない」とは、私が昔好きだった漫画の印象的なセリフだが、さて人生で何度そんな瞬間があるだろう。

身体能力に限らない。

若くとも精神を病み、そう思って自死してしまう人だっている。

出来れば「まだまだたくさん歩きたい、でももう、十分に歩いた」と思って死ねたらいい。
…かな。どうだろう。 

「今日は死ぬのにいい日だ」

生きているものすべてが、わたしと調和している
すべての声が、わたしと歌をうたっている
すべての美が、わたしの目の中で休もうとして来る
すべての悪い考えは、立ち去っていった
今日は死ぬのにとてもいい日だ

わたしの大地は、わたしを穏やかに取り囲んでいる
畑には、最後の鍬を入れてしまった

わたしの家は、笑い声に満ちている

家に子供たちが帰ってきた

うん。今日は死ぬのにとてもいい日だ


Today is a very good day to die.
Every living thing is in harmony with me.
Every voice sings a chorus within me.
All beauty has come to rest in my eyes.
All bad thoughts have departed from me.
Today is a very good day to die.

My land is peaceful around me.
My fields have been turned for the last time.

My house is filled with laughter.

My children have come home.

Yes, today is a very good day to die.

“Today is a good day to die”  ナンシー・ウッド

これはネイティブインディアンの言葉。

禅やネイティブインディアンの哲学は、私たちをしばしば救い上げてくれる。